いつもは花屋から買っていた
総務課長のDさんは、役員から胡蝶蘭を届ける指示を受け、その手配をすることを担っていた。
お届け先近くのお花屋さんを当たり、そこに胡蝶蘭を注文することが多かった。
けれども、今回のお届け先は、遠方ということもあり、インターネットからの注文をしてみようと思った。
胡蝶蘭をネットで注文?
ネット通販を利用したことはあったものの、それほど信頼がおけるものだとは思ってはいなかったが、
「課長、今時は、胡蝶蘭もネットで注文できますよ」という部下の冷やかしめいた言葉に
「ネットで注文してやろうじゃないか!」と多少むきになってしまったDさんだった。
実際にインターネットで検索してみると、胡蝶蘭を販売しているオンラインショップは
数多くあり、胡蝶蘭をネットで注文することは特別なことではないと思えた。
花屋で買っていた予算と同じで
様々なオンラインショップに数多くの胡蝶蘭が並ぶ中で、Dさんは、これまで花屋で購入していた予算と
同価格の胡蝶蘭を注文することにした。
写真で見る限り、これまで花屋で購入してきた胡蝶蘭よりも豪華には見えたが、
「写真は、見栄えが良く映しているものだから」と、それほど疑問視することもなく、むしろ、
花屋よりも品質が下がってしまう心配もしていた。
あんなに豪華で大丈夫か?
胡蝶蘭を贈った遠方の取引先の落成式から戻った役員からこう言われた。
「今までよりも、かなり豪華な胡蝶蘭が届いていたけれど、かなり出費があったんじゃないか?」と。
その言葉にDさんは驚いた。
今まで花屋で購入した価格と同じなのに、そんなに目を見張るほど豪華な胡蝶蘭が届くはずがないと思っていた。
「そう言えば・・・」とDさんのかすかな記憶から浮かぶものがあった。注文したオンラインショップには、
農家から直送のため中間コストを削減した低価格、というような記述があったことを。
そのことをあまり気にせず、信用もせずにいたDさんだったが、
花屋と同等の価格でも、ネットでは1ランクも2ランクもアップすることがあると後から気づかされた。
どうすれば良かったのか?
胡蝶蘭に限らず、流通上、中間コストを含んで販売価格が決められている商品は多くあります。
胡蝶蘭のような生花の場合は、コスト面だけではなく、流通上の中間拠点があると、それだけ鮮度や生育に影響があります。
つまり、花屋への中間拠点の分だけ、コストと期間を要しているということです。
このようなことから、花屋で3万円の胡蝶蘭であっても、農家から直送のオンラインショップであれば、
2万円程度で販売されていることがよくあります。贈り先との関係性を考慮して、
花屋での購入とインターネットでの購入における胡蝶蘭のランクを合わせる時、
または、購入価格を決める時には、このような配慮をすると良いでしょう。